皆さんこんにちは!クゥーちゃんです。
今回は「恋するおじさん?」の続きになります。
前編をまだ読んでいないあなたはこちらからどうぞ!
恋するおじさん?やはり俺のサラリーマンラブコメはまちがっている前編
はたして恋してしまった?おじさんはどうなってしまったのでしょうか?
前振りなしで本編投入します!
よかったら、暇つぶしに読んでみて下さい!
勘違いしたおじさんは嫌々飲み会に参加する…
彼女の俺に対する「視線」やしぐさから、
ひょっとして俺に好意をよせているのではないか?
という愚かな妄想をしてしまい、彼女のことを変に意識してしまう毎日を送っていた当時の俺であったが、時の経過と共に少しづつではあるが、冷静になり落ち着きを取り戻しつつあった。
ま、こんなことは冷静に考えるまでもなくわかることなのだが、
彼女と俺は20歳以上も年が離れている…
俺に彼女のような年頃の娘がいても何らおかしくはないし、そもそも自分の娘みたいな子に興味を持つほど俺は壊れてはいないのだ!基本的に…これは、病気…家族と会えないさみしさに起因する一種の病気なのだ。
ゆっくり深呼吸して気持ちを落ち着かせてみる…
( ̄〇 ̄)
フー、ハァー フー、ハァー
…今思い返せば、こんな行為を仰々しくしている時点で俺は既に壊れていたし、相当痛いおじさんだったのだが、当時の俺にはそんなことを冷静に自覚する余裕など全くなかったのである。
それから暫くして、会社では「親睦会」と銘打った各セクション(部署)の責任者を集めた飲み会が開かれることになった。企画したのは、どこの職場にも必ず一人はいるであろう「屈託のない笑顔」を己の最大の武器としているJ君だった。J君は将来有望な若手社員で、ナイスガイだ。
「〇〇さん、今度の親睦会、もうメンバーに入っちゃってますので!よろしくです(キラッ!)」
白い歯をキラッと輝かせながら、「屈託のない笑顔」でJ君は言った。ナイスガイは、人を誘う時、かなり強引な言い回しをする。ナイスガイは「完了形」から人を誘うのだ。それが嫌味にならないところが彼の凄いところである。
きっと意中の女性を口説く時も彼はこう言うのだろう
「君、もう俺の彼女になちゃってるし、愚門だろ?そんなこと。出会う前から俺にはわかってたよ(キラッ!)」
J君の強引な台詞に圧倒された俺は、彼の誘いをうまくかわすことが出来なかった。
あ~
俺は会社の飲み会が嫌いだ。
同僚や上司に気を使いながら飲む「お酒」ほど不味い酒はない。「お酒」は一人でリラックスして飲むか、本当に気の合った友人や家族と酌み交わす時が何より旨いのである。
年を重ねるにつれ、俺は会社の飲み会をなんだかんだ理由をつけて回避するようになっていた。そんな俺でも、転職前の会社では同僚や上司、取引先の方達と「楽しくて旨い酒」を酌み交わしたもんだ…今の会社と前の会社では「人の質」が違っていたから。このあたりは以前に書いたブログ記事でも書いているので、興味ある方は読んでみて下さい。
完全能力主義のこの会社では、「飲み会の席」といえどもお互いの部署の「利害関係」もあり「探り合い」なんかもある。リラックスどころではない。どうせ「表面的な仲良しこよしの気持ちの悪い時間」なのだ…
ま、これも仕事のうちだよな…
俺は自分を言い聞かせ飲み会への参加を決めた。
勘違いしたおじさんはさらに勘違いを加速する・・・
飲み会の日は仕事で、俺は終業処理に少し手間取ってしまい30分ほど遅刻して会場へ向かった。
このまま仕事が終わらないと嘘でもついてバックレようかなどと一瞬思ったんだが、さすがにそこまでお子様ではない。
事業所から歩いていける近くの居酒屋へ入り、店員に案内されるとボックス席の隅っこに彼女がちょこんと座っているのが見えた。
やっぱり、来てるよなぁ…
そして、空いている席は彼女の真正面というお約束…何の嫌がらせですか?
遅れてきた俺を気遣い、大皿の料理を小皿に盛り付けて渡してくれたり…空いたグラスのおかわりを気にしてくれたり…彼女は基本的にやさしくていい子なんだよな、誰に対しても。それはわかる、十分理解しているつもりなのだが…
お願いですからそのやさしさを俺に向けないでくれませんか?勘違いが加速してしまうので…
ウゥ…
そんな、万人に対して「やさしさ」を振りまく彼女の対面に位置する俺は、耐えがたい「やるせなさ」の中にいた。
ええぃ!今日は飲む!もうそれしかない!
俺は己の「勘違いの加速」に歯止めをかけるため、「酒の摂取量を加速」させていった…
ビールに始まり、ハイボール、日本酒、何とかサワー(覚えてない)、最後のほうは焼酎のロックをガンガン飲んでいた気がする…ちゃんぽんもいい加減にしろというくらいに飲みまくり、
そして、途中から記憶がぶっ飛んだ…
・・・
…朝目覚めると、頭が痛かった。そして何故か肋骨(ろっこつ)も痛い…
寝起きのぼんやりとした頭で、昨日の記憶を断片的に手繰(たぐ)り寄せていく。
ラーメン、食べたわ…そういえば
居酒屋での一次会の後、二次会で近くのラーメン屋へ行ったのだ。いわゆる「締めのラーメン」という一番太る流れのやつ。
道中で、俺は…電信柱に激突した。肋骨が痛いのはそのせいだ。たとえ酩酊(めいてい)状態であっても電信柱にぶつかるほど間抜けではないつもりだったが、俺が激突した電信柱は何故か歩道のど真ん中に立てられているという有り得ない白物だった。
こんな理不尽はないだろ!また一つ「新潟県」が嫌いな理由ができたわ!
彼女もいたよな?そう、俺の目の前で一緒に「みそラーメン」食べてたっけ、多分失礼なことはしていない。大丈夫なはず?
俺はこれまでの人生で「酒の席」で失敗したことがない。基本的に酒に強いし、飲んでも少し饒舌になるくらいで周りの人に迷惑をかけるタイプではないと、自分では思っている。
まぁ、いいや、滞りなく「飲み会」も終わったし…
ナイスガイのJ君のおかげで、想像していたものよりも楽しい集まりだったな、大学のコンパみたいな…
でも次回は適当に理由をつけて欠席しよう…やっぱ柄じゃないわ、こういうのは…
と寝起きのぼんやりした頭で考えていた時、Line(ライン)の通知音が鳴った。
無造作にアイコンをタップすると、
えっ、
えっ?
えええええ~!!!
Σ(゚Д゚;!!!
彼女とLine交換してるぅ~!
?(・・)?
なんで???
メッセージの送り主は、彼女だった…
そう、俺は昨日、初めて「酒の席」で失敗をしてしまったのである。
このことをきっかけに、おじさんは「勘違い」を加速させていくことになってしまうのであった。
彼女に返信して、おじさんは恋に落ちる…
「昨日はお疲れ様でした!楽しかったです!締めのラーメンおいしかったです(^^)v」
彼女からのメッセージはこれだけのものだったのだが…
そもそもなんで彼女と繋(つな)がってしまったのか?
ア!( °o°)
あの時の…
飲み会も終盤に差し掛かったころ、J君に促されるまま俺は自分のスマホを彼に渡したよな、確か…
「〇〇さん、今日の参加メンバーで作ったLineグループに登録しちゃいましたんで!今後ともよろしくです!」
「完了形」を使いこなすナイスガイの罠に俺はまんまと落ちてしまったのである。
Lineグループは「〇〇事業所の本音を語る会」と名付けられていた。
こっちのアイコンもタップしてみると、
「おつかれ~」「楽しかった」「〇〇さん、無事家着いた?」「盛り上がりましたねぇ~」「また開催したい!できれば月一で!」etc
たわいもなく、可愛らしいメッセージのオンパレード…
ホント、大学のサークルみたいなノリだわ。
お互いがライバル、完全能力主義、誰かが勝って誰かが負けるゼロサムゲームな会社…
酒飲んで、本音のフタを開けてみれば…みんな息苦しかったんだな…
俺は少しだけ、ほっこりとした気持ちになった。
そんなことは、さておき、
なんで、個別にメッセージ?
なんで?なんで?
うわぁ、もう既読ついてるよな、5分もたってる、早く返事を返さねば!
でもなんて返したらいいんだ?
俺には、20代の女性とLineのやりとりをする「スキル」なんてない。
難しすぎるよ~こんなの
愚かにも俺はパソコンを立ち上げ、メモ帳を開きおもむろに下書きを始めた。
「昨日はお疲れ様でした。僕も楽しかったです。ラーメン美味しかったね。」
…ダメだろ、「僕も楽しかった」とか、こういう言い回しは「好意」を助長する可能性もある。
「昨日はお疲れ様でした。楽しい会でしたね。ラーメン美味しかったね。」
…ダメだろ、「ラーメン美味しかったね」の「ね」はいらない!なんか「いやらしい」し下心あるっぽくて不潔だ。
俺は頭から、バケツで消毒液を頭からぶっかけて身も心も清めてしまいたい突発的衝動に襲われた…
…うーん、そもそも「俺が楽しかった」とか「ラーメンが美味しかった」とかどうでもよくねぇか?それに出来ればこの一文で、このやりとりを完結してしまいたいのだ。これだと、そのあとの会話が続いてしまうもある。続いてしまったら、おじさんは貴重な休日を返信の度に悶え苦しむことになるのだ。
「昨日はお疲れさまでした。またみんなで飲みましょう。」
…さんざん思い悩んだ挙句、この一文を返信した。所要時間にして30分も費やすなんて、なにやってんだが…
でも、この一文は俺なりの試行錯誤の結晶とでもいうべき「魂をこめた」メッセージなのである。
ポイントは「みんなで」という表現にある。
なにも貴重な休日の30分を十代の乙女のように「キャッキヤッ」言いながら床の上を転がり回っていたわけではない。キモすぎだろ!
俺は「彼女の行為」を考察していたのだ。
彼女は俺に対して、個別にメッセージをくれた…
社交辞令なら、Lineグループに送ればいいのだ。でもグループの方には彼女のメッセージは入っていなかった…
もうまどろっこしく書くのはやめてストレートに書く!
彼女は俺に気があるのだ!
※言っちゃったよこの男は…
言い切ってしまったが、正確には「ちょっと気になる会社の先輩」といったところなんだろう。それは「恋愛」とか「憧れ」とか、俺に対する「親しみやすさ」とかのいろんな感情が織り交ざったものであって、そんな色々な「好意」が織り交ざって、無意識に出てしまった無邪気な類のものなのだ。きっと先のことは考えていない…
そして、今度は俺のターンなのだ。
そんな「あいまいな好意」をどちらかの方向へ導いていくイニシアチブは俺の方にある。
俺はある意味自分の「勘違い」を加速させてしまったらしい。だが、それが正しいか間違いかを論じることは意味をなさない。だって、こんなこと誰にも相談できないんだもん。それにもう勘違いしてしまったのだから、このままでいい…
大切なことはこのイニシアチブをどっちの方向へ向けるか?だ。
「あり」か「なし」か?
「昨日はお疲れさまでした。楽しかったです!今度二人で飲みませんか?」
「昨日はお疲れさまでした。またみんなで飲みましょう」
俺は「なし」を選択した。
俺の妄想であれ、勘違いであれ、その上で俺は「理性的」であろうと決断したのだ。
それでいいじゃないか!なにが悪い!「意気地なしのおじさん」上等だ!ゴラッ!
…はいはい、くすぐったい恋愛ごっこはもうおしまいです。
ひとり、呟いたことを覚えている。
この頃俺は、体を鍛え始めていたし、パチスロの「期待値稼働」もスタートさせていた。そんな自分だけの「価値観」を信じて「自己肯定」しようとガムシャラに行動していた。一日が48時間ほしいと本気で思っていた…
…俺にとってこの「感情」は邪魔でしかないよ
返信を終え少しすっきりした俺は、お昼前にやっとその日の「休日」をスタートさせた。
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自分に課した「休日」のタスクを終え深夜に帰宅した俺は、寝床に入りおもむろにスマホのLineアイコンをタップした。
俺が彼女に送ったメッセージには、「既読」がついていた。
返事は、なかった。
想定通りの展開に安堵し、ほどよく安らかな眠りに落ちてゆく俺を「もう一人の俺」が邪魔をする…
俺は眠りたいのに…
ええぃ、邪魔するなよ!
でも、なんで返事がないんだろ…
当たり前だろ!そう、仕向けた…
でも…
そんな自意識内での攻防戦の最中、俺は自分の本心に気づいてしまった。
俺は、彼女が好きなんだ…
そう自覚した途端、俺の意識は深い眠りの底へと葬られていった。
恋の病にかかった俺は「スキサケおじさん」へと変異する…
彼女に対する自分の気持ちに気づいてしまった俺は、どうしようもない「敗北感」の中にいた。
なぜ「敗北感」なのか?
自分だけが一方的に彼女を好きになってしまったから。
きっと彼女の俺に対する「好き」は恋愛におけるそれではない…
俺は自分のターンで「理性的」に行動した。それ自体は賞賛できる行為なのである。不貞行為に導くようなことを言ってしまったら、それ自体が問題だし「不倫」に発展するにしろしないにしろ、今のご時世最悪の「バッドエンド」が待ちかまえているに違いない。
なのに、俺だけが「好き」だなんて…
これって、苦しすぎだろ!
「人を好きになる」感情ほどコントロールできないものはない。この感情は「あるべき姿」や「社会の倫理」、「今までの定石」を完全に無視して俺を支配しようとする…
だいだい、彼女みたいな娘は俺のタイプではないのに…別に美人じゃなし…そんなに可愛くもないし…
言い訳を並べたところで「好き」は好きなのだ。事実は変わらない…
俺はこの頃から、「好き」が故に彼女との接触を意識的に避けようとする「好き避けおじさん」へと変異していた。
我ながらいい年して、気持ち悪すぎるよ…
あぁ、この気持ちを吹っ切るには、仕事だ!仕事に集中するしかない
全くもって不謹慎な根拠から俺は仕事に没頭していくことになるのである…
完結編へ続く。
あとがき
本当なら、この「恋するおじさん?」は、この回で終了しようと思っていたのですが、うだうだ書いているうちにまたも長文になってしまいましたので、続きは次回にさせていただこうと思います。
基本的にこのブログは100%に限りなく近い実話と自分の主観をもとに書いているのですが、この後の展開がとても悲しい結末になってしまうということもあって、なかなか筆が進んでおりません。
それでも頑張って書こうと思っていますので、どうか気長に待っていてください。
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